日本スピッツの優れた感覚と社会化について

日本スピッツは子犬のころから人にはできない優れた行動・感覚があります。

 

①嗅覚

最も優れた感覚であり警察犬、麻薬探知犬、災害救助犬として人間社会に貢献している犬種もいます。

日本スピッツの嗅覚は人の数千倍以上であり、これはにおいを感じる鼻粘膜が発達しているためです。

②聴覚

嗅覚とともに優れており、人には聞き取れない高音域の音を聴くことができます。

飼い主の帰宅や、家の車の音を素早く感じ取るのにも役立っています。

③視覚

あまり良くないのですが、暗がりでは人よりも優れています(タペタム)。

④味覚

味覚は甘味、苦味、酸味、辛味で左右されますが、食べ物を選ぶ要因は嗅覚に依存しています。

⑤触覚

顔のひげの基部には知覚神経を持っており、それは体全体にもあり、温度に対して敏感な行動となります。

 

人間社会で人に迷惑をかけず共に円滑に暮らすためには、異種動物の日本スピッツにとって最も重要なのは社会化です。

社会化とは、人間社会を形成している全ての環境に対し、日本スピッツが視覚、聴覚、嗅覚、触覚を通して慣れることです。

 

つまり、帽子を被った女性や杖をついた男性を見たり、臭いを嗅いだり、触られたり、大型犬を見たり、花火やパトカーのサイレンの音を聞くなど、なるべく多種多様な刺激を当たり前のこととして感じ取れる経験を積むことにより、その刺激に怖がって吠えたり、自分を守るために咬んだりすることのない基礎が作られます。

 

日本スピッツにはこの社会化に適した時期があり、生後1か月から3か月といわれています。

この時期にいかに多くの情報を得て、十分な刺激を経験するか否かによって、その犬の性格が決まるともいわれています。

なぜこの時期が社会化に適しているのかというと、もちろん個体差はありますが、視覚や聴覚などの感覚器、各神経も発達、成長し、好奇心が最も旺盛な時期だからです。

3か月に入ると、好奇心よりも警戒心が上回るといわれています。しかし、この時期を過ぎても好奇心がなくなるわけでも、学習をしなくなるわけではないので、それ以降の週齢からでも諦めずに社会化に努めることは必要です。

この生後1か月から3か月の時期は、混合ワクチンプログラムもまだ終了していない時期です。

生体としても十分に免疫システムが整っておらず細菌やウイルスに抵抗する力も弱いため、他の犬との過度な接触や地面を長時間歩かせることは避け、抱っこやキャリーバッグ、カートで出かけての社会化が推奨されます。




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