日本スピッツに「名前」という概念はない?

飼い主が犬の名前を呼ぶと、犬がこっちを向いたり、尻尾を振ります。

日本スピッツは子犬の頃からの経験の中で、それがおやつをもらえたり、散歩に出かけられたり、叱られたりなど日本スピッツにとって自分に何かをされる、何かが起こる前に飼い主から発せられる音(聴覚情報)であると、古典的条件付けで覚えたからです。

 

日本スピッツに名前は必要ありませんと言いたい訳ではなく大事な音(聴覚情報)になるので、呼びやすく、長すぎず、家族や話題に上がる人と似ていない名前を付けます。

子供の名前が「太郎」なのに日本スピッツの名前が「アロー」では、太郎君もアロー君も混乱します。

 

犬の名前を呼ぶときには、犬が関心を向けたり、こっちに来てほしいなど、きちんと反応して欲しいので、《間歇強化》を使い、日本スピッツの大好きなことをする前に子犬のうちから名前を呼んでからするようにします。

 

例えば、食事を与える直前に「アロー」、おやつを一つ与えるたびに「アロー」、ボールを投げる直前に「アロー」などです。日本スピッツにこれを繰り返すことで「アロー」という音(聴覚情報)の後には楽しいことがある、おいしいものがあると犬は覚えて、犬の注意を向けさせたり、呼んだ人の方に日本スピッツが来るようになります。

また、この「アロー」という音(聴覚情報)を使って叱らないようにします。

「アロー」の後に怒鳴られたり、けられたりすると、「アロー」=怖い、痛い、と覚えてしまい、首輪やハーネスが抜けてしまったときや、ドッグランで相性が合わない犬が入ってきたときなどで、何度「アロー」と呼んでも戻って来なくなります。

 

日本スピッツを叱るときには、名前とは似ていない、その行動は間違っていますよということを伝える音(聴覚情報)「いけない」「ノー」など、家族全員で決めてその言葉を使うようにします。

 

子犬のうちから名前を呼んであげることで躾やコミュニケーションを取りやすい環境を作っていきましょう。

 




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