子犬のうちから日本スピッツを飼ううえで、
一貫したルール作り、すなわち、飼い主と犬が信頼しあえる関係作りが大切になってきます。
家の中でママがソファに座っているときに、日本スピッツがソファに上がったらママは何も言わず撫でてくれました。次の日、パパがソファに座っているときに日本スピッツがソファに上がったら、パパに大きな声と怖い顔で怒鳴りつけられました。そのまた次の日には、ママが座っているソファに乗ったらママにも叱られました。
このように、同じ行動に対して家族の誰かは許すことを、誰かは叱る、昨日は許された行動を今日は叱るなど、その群れ(家族)、その家のルールに一貫性がないと日本スピッツは混乱し、家族の誰かに不信感を抱く場合も生じ、性格にも影響します。
他にも台所へは入ってもいいのか、インターホンには吠えてもいいのかなど、子犬のうちから家族全員で「叱ってでもさせない行動」を話し合って決め、そのルールを家族全員で一貫して守るようにします。
日本スピッツに何かを教えるときも、しつけではなく課題という感覚でいることが重要です。
例えば、「待て」の場合とします。従来は「待て」をするのは犬であり〈飼い主が犬に「待て」を教える〉という感覚でしたが、現在では〈飼い主が「待て」と支持を出すと犬が待つという課題を、飼い主と犬が協力して達成する〉という感覚で行います。
人に例えるなら、運動会の種目の「二人三脚」で、〈高得点を目指して、10メートル先の三角コーンを回って帰ってくる〉という課題に、足を無ずんだ相手と協力して挑むイメージです。
仮に、犬と協力して課題に挑んだ結果がうまくいかなかった場合、「犬が待てをできなかった」のではなく、「共に待てができなかった」のです。
このため、犬を叱ることはせず、できなかった原因を改善して、もう一度課題へ挑みます。
一方、うまくできた場合は「共に待てができたのですから」犬を褒めることはせず、「やったー!」「できたねー!」と一緒に喜びます。
スポーツに例えるなら、バレーボールやバスケットボールで味方が点を取った時にするハイタッチをする感じです。日本スピッツにはこの「一緒に喜ぶ」というエネルギーが非常に伝わりやすいのです。