祖先
日本スピッツの祖先については長い間研究され、狼が直接の祖先であったと考えられています。
狼の中から人間になれ始めた個体が生じ、人間がそれを家畜化したことが犬への歩みの第一歩です。狼はリーダーを形成する社会的な動物です。
現在家庭で飼育されている柴犬は、家族をソーシャルグループとし、子犬のうちから信頼関係を持って社会性を築いています。
犬は人類と長い間生活を共にし、この間に使役犬、小型犬、中型犬、大型犬等に育種改良が行われ、世界中では350種類以上もの犬種があるとみられています。
近年我が子区では住宅環境の要因もあり小型犬を多く買う傾向がみられます。
しかし、目的、家族構成、運動に適した環境の有無、犬の特性などを総合的に判断して、例えば日本種の中型犬を選択するなど、その家庭に最も適した犬種を選ぶことが人にも日本スピッツにも最良であるといえます。
成長
成長に伴う行動の変化から7期に分類されます
①新生子期(生後2週齢まで)
生後2週齢までの期間をいい、この期間は授乳、排尿も含めて母犬によって子犬の生命が維持されます。
②移行期
生後3週齢頃から、子犬が徐々に自律的な行動へと変化を見せ始めます。
この時期の大きな特徴は感覚器の急速な発達で音や光、動くものに反応を示し始めることです。
③幼年期(生後1~3ヶ月・第1次社会化期)
社会化期のはじめでは、子犬は周囲の状況を認識してそれに対応する運動能力が発達し始めます。
生理的には歯牙(しが)が生え始め固形物を摂取できるようになり、やがて離乳に至ります。行動では人や動くものに興味を示し、子犬同士ではじゃれ合うなどの行動を起こし始めます。
④若齢期(生後3~6ヶ月・第2次社会化期)
概ね3ヶ月齢前後から性成熟までの期間を指し、体の発達とともに運動能力も高まります。
犬種による相違もありますが、雄では発情中の雌に性的興味を示し始めます。
⑤青年期(生後6ヶ月~2年)
繁殖可能な性成熟を迎えた期間を示します。
⑥成年期(生後2~8年)
自信を持った行動が多くなります。自己主張がはっきりしてくるので、飼い主は犬から信頼されるリーダーとしての自覚をしっかりと持つようにします。人にみられる生活習慣病と同様な疾患が起こりやすくなる時期で、日常の健康管理に注意します。
⑦老年期(生後8年以降)
徐々に老齢化が始まり、被毛が白っぽくなったり、耳が遠くなったり、動作が鈍くなるなどの減少が現れます。体力に合った散歩を行い、食事は消化の良いものを与えるようにします。